小金沢連峰周辺 水無山(1139m)、尾越山 (1099m)  2010年12月23日

所要時間 8:04 矢竹集落−−9:17 水無山 9:26−−9:43 尾越山−−10:14 矢竹集落

概要
 矢竹集落から周遊。矢竹から水無山東直下へ至る尾根上には途中まで道あり。その後も藪は皆無で上部の傾斜はきついが快適に登れる。稜線に出ると踏跡程度だが道あり。もちろん藪無しだが周囲は落葉樹林に覆われ好展望地は無い。地形図では道は尾越山西側を巻いているが道が薄く目印が頼り。1020m肩で稜線を外れて南西に下る尾根に乗るが930mの尾根分岐で直進しないよう注意。その後は尾根は明瞭。



 相変わらず偏頭痛が治らない。先週日曜日は夕方から発作が来て酷い目に遭ってしまった。血圧も相変わらず高めで体調が良くない。そういえば11月くらいから登っている最中に呼吸系の能力低下を感じていたがこれも偏頭痛と関係があるのだろうか。どうであろうと体調が万全でないのは確かで医者に言われたように家で休んでいるのが一番だろうが好天時に家に閉じこもっているのは山屋にとって投獄と同じだ。今週も軽い運動ということにして手近な大月に出かけることにした。今回は雁腹摺山から東に下りる尾根の末端に近い部分の水無山と尾越山を目指す。山名辞典記載の山なのでマイナーだろうから人に会うことはないだろう。

 地形図では主稜線上に破線が描かれているが実際に道があるかは不明であるが、地域的、標高的には藪無し植生に違いないから問題ない。藪の心配が無いならどこから登ってもOKだが、アプローチが一番いいのは南側の矢竹集落で、ここからだったら2山を結んで周遊が可能だろう。小さな枝尾根を行くので登りはいいが下りが心配だが、少し外してもえらい遠くに下ろされるわけではないのでまあいいか。

ここに車を置いて出発 右の沢沿いの道を登る

 今回も当日発。まだ暗い時間に出発したが八王子で明るくなる。大月ICで降りて少し逆戻りし、岩殿山東を越えて葛野川を溯上する。小俣川を越えたところで左に入り、あとは細い車道をどんどん入っていく。今回は取付点の位置をGPSに入れてきたので地図とにらめっこしながら運転しないで済む。GPSの表示は矢竹集落入口の沢付近でゼロを示したが近くに車を置けそうな場所は無く、少し戻って道幅が大きく広がるところに車を置いた。

沢を渡る橋で右岸を登る 水道施設?の建物
建物裏手の植林を登る 廃屋前を通過

 車道を登って小さな沢が登場すると細い道が上方に分岐、これに入ると谷左岸尾根上にある人家の取付道だった。この沢右岸側の尾根を登ると水無山へ、左岸側の尾根を登ると尾越山へ至るが、まずは水無山へと向かう。車道が沢から離れるところで右岸に渡る橋があり、これを渡って上流に向かう道を行くとすぐに小さな建物登場、たぶん上水道関連施設だろう。道はここで終わって上部は植林帯となる。適当に上がると尾根に出る前に明瞭な道が登場、そのまま辿ると廃屋前に出た。裏手の植林帯斜面を登ると沢水を引いているのか黒いパイプが2か所で山腹を通っていてそれに付随する道もあったが尾根目指してそれらの道は通過した。

廃屋裏の斜面を登る 尾根に出る

 尾根上に出ると落葉樹林に変貌し一気に明るくなり、落ち葉に埋もれて薄いながら道もあるようだった。予想通り藪は無いので道など無くても適当に歩けるが。今日は気温がかなり高く、温度計を見るとマイナスどころかプラス5℃を越えていた。年末の朝方でこんな気温は珍しい。そういえば朝東京を出るときに車の窓ガラスに霜が付いてなかったなぁ。マフラーや毛糸の帽子、手袋をしていると暑いくらいだったが、首筋や頭を冷やすと偏頭痛が来る可能性があるので手袋だけを外して歩いた。

植林はここだけ 明るい落葉樹林に露岩
尾根がばらけて右から別の尾根が合流 間もなく主稜線

 一時的に植林が登場するがすぐに自然林に変わり、ほぼ一貫して明るい尾根が続く。そのうちに道らしき筋は消えるが、尾根には藪が無いままなので尾根直上を適当に登っていく。やがて露岩も登場するが尾根をいっぱいに塞ぐような岩は無く、適当に隙間を登っていけた。標高1000mを越えると尾根がバラけて広い斜面となり傾斜もきつくなる。下りではルートに要注意の個所だが登りなら適当に上を目指せばいい。右手から植林された尾根が合流するのでそちらに乗り換えて主稜線に達した。

水無山山頂 水無山から見た雲取山
達筆標識 達筆標識の裏側

 主稜線には登山道と呼んでいいような明瞭な道は無いが、今までの尾根のように藪は皆無で歩きやすく、目印がたくさんついていた。目印があるくらいだから登山道とは言えないか。山頂は僅かに西側にあり、僅かに登るとなだらかなピークに到着、ここには三角点は無いが大月市で立てた水無山の山頂標識が立っていた。ついでに達筆標識もあり。昨年のもので先週の大寺山同様に新しかった。今まで急な尾根を登り続けたのでここで少々休憩。今日は短いルートなのでここで少し休憩すればあとは歩き続けられるだろう。

尾越山向けて出発 主稜線も明るい落葉樹林
熊棚あり 熊が木登りした爪跡

 さあ、次は尾越山だ。地形図を見るとあまりアップダウンがない尾根を少し下ると山頂に達するようで時間はかからないだろう。踏跡と目印に導かれて歩きだす。最初は尾根右側は植林だったがやがて明るい落葉樹林になり、落ち葉に覆われていい雰囲気の中を進んでいく。登りでは気付かなかったがこの尾根にも熊棚が散見され、熊が木登りした時に付いた爪痕も確認できた。もう冬眠しているか、それともこんなに暖かいとまだ活動しているだろうか。もちろん、今日も鈴をつけて歩いている。

間もなく尾越山 尾越山山頂
達筆標識 達筆標識の裏側

 1110m峰を越えてなおも緩やかに下ると落葉樹林に覆われた小ピークが見えてきた。地形図では破線は西側を巻いて通過してしまうが、現場に行ってみると目印は地形図の破線のように山頂を巻いて付けられているが、そこに道があるようには見えなかった(藪は無いが)。もしかしたら落ち葉が無ければ踏跡が見られるのかもしれない。こちらは目印を無視して山頂へ。僅かに登るとすぐに平坦な尾越山山頂に到着。三角点があり、その近くの木に達筆標識がかかっていた。ここも落葉樹林に覆われて展望なしだが、樹林越しに先週歩いた麻生山の稜線が見えていた。

主稜線向けてトラバース 1020m肩

 本日の目的地はこれで終了し、下山開始。地図を見ると山頂からでは尾根がつながっていないのでいったん西側に進路をとり南に下る尾根に乗った。山頂付近では尾根ははっきりせずルートが見えにくいため、北に戻って目印が続く巻きルートを確認した方が安全かもしれない。尾根に乗ってからもこのまま進んでは矢竹集落には下れず南に行きすぎてしまうので、標高1020m肩で尾根が微妙に左に曲がるポイントで南西に分岐する枝尾根に乗る必要がある。明るい落葉樹林を下っていくと尾根上に暗い檜の植林が出現し、ここで尾根が左に曲がった。高度計を見るとほぼ1020m、南西の方向は最初は尾根というより斜面のようにしか見えないが、ここが尾根から離れる場所に間違いないだろう。

1020m肩から南西枝尾根を見る 南西枝尾根を下る

 方位磁石で進路を確認して下り始める。再び落葉樹林帯に変貌し、ちょっと下ると尾根が明瞭化して安心して下っていく。風がほぼ無いのに木の葉が揺れるような音が続き、どこで風が吹いているのかなぁと不思議に思っていたら風の音ではなく地面の落ち葉の上を獣が走る音だった。全く姿が見えないので鹿なのか猪なのか狐なのか分からないが、音の大きさからいってそこそこ体が大きな動物のように思えた。でもまさか熊じゃないよな。急な下りなので歩いていれば勝手に派手に鈴が鳴るので、相手が勝手に逃げるだろう。

930m肩で左に進路変更 間伐帯

 標高930m肩で自然林から植林に変わると同時に傾斜が急にきつくなる。これで尾根が再び不明瞭となり磁石と地形図とにらめっこし、進路を左に振る。地形図ではほぼ南西で直進のように見えるが、実際には一時的に真南近くに進路変更する。再び尾根がはっきりして進路は南西に変化し、ルートがあっていると判断。少し下ると間伐帯に突入し、伐採された木が放置され「人工倒木」が続いて非常に歩きにくい。まあ、これは手入れされている証拠でいいことなのだろうけど歩くためには悪いことだ。

赤松中心の樹林 樹林越しに矢竹集落が見えてきた
尾根を外れて沢に下り、水道施設?に出る 車道到着

 その伐採地も距離で100〜200mほどで終わり、松を中心とした歩きやすい尾根に変わり淡々と下っていく。下部に行くと矮小な自然林となり、微妙に尾根が分岐する個所もあるが既に矢竹集落の家屋が見えるようになり、それを目印に右手の尾根を辿っていく。やがて尾根下部に人家が見えるようになり、このまま行けば人家の敷地に出てしまうだろうと途中で右に進路変更し、谷を目指す。どの辺に出るのかは分からなかったが登りで通過した上水道施設らしき建物に出た。あとは道を辿って車道に出て車に戻った。

 

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